脳科学とAIを研究する東京大学の池谷教授がこのようなことを言っていました。
「過去の生物の進化の過程を眺めてみると、環境に適応できなければ子孫を残さない、そういう自然淘汰の原理が厳然と存在していた。しかし、現代の人類は、新しい進化の方法をはじめてしまった。それは、自分自身の『体』ではなく、『環境』を進化させることだ」
従来は、環境が変化したら、その環境に合わせて生物自体が変わってきました。しかし、いまの人類は、遺伝子的な進化を止め、逆に環境を支配して、都市やインターネットをつくるなど環境を自分の都合に合わせて変えています。こうした新しい進化のやり方を生みだしてしまったのです。
メディアで良く聞くビッグデータやAI、IoTも、そんな新しい環境変化の産物です。これからは、MaaS(Mobility as a Service :「マース」)という移動サービスも、人類がビジネスの商機と考えて誘導する「環境の進化」に加わってきます。
しかしどうでしょう。人類は一方で、自ら変化させている環境をどのように活用し、価値を生んだら良いのか、わからずに悩んでいます。
企業や生活者の日々の活動に大きな影響を与える規制や制度などは、顕在化した課題を解決しようと作られるため、こうした環境変化への適応は構造的にも大きく遅れがちです。
つまり、人類が将来に向かって環境変化を加速していくほど、生活の基盤である環境の変化のスピードに実生活や社会活動が付いていけず、将来のリスクが大きくなっていく、そんな逆説的な構図が見えてきます。
私たちDreamは、「データマーケティング教育」という領域にフォーカスし、地域や企業が環境変化に同じ速度で並走していけるよう、また自らのゴール達成に変化を上手く活用できるよう、併走するパートナーとして、全国の学校と事業会社がコラボレーションで運営する非営利組織です。
最先端の「テクノロジー」と「教育」、そして「現場での活用」。この三位一体が求められる支援を広く、オープンに提供していきます。データマーケティング教育を通して、環境変化に取り残される人々を少しでも減らしたい――この志のもとに、私たちは集結しました。アカデミック会員、企業・団体会員の皆さま、Dreamの有効活用と地域への浸透を是非、お願いいたします。
ビッグデータマーケティング教育推進協会
専務理事
米倉 裕之