前編でご紹介した「データマーケター養成講座」を実施していただいているアルスコンピュータ専門学校様と株式会社ベルク様との産学連携授業の課題発表を受け、後編では2022年11月29日に開催された、学生達による発表会についてご紹介いたします。
学習テーマ
今回の課題は「ベルク熊谷銀座店様を想定した、クリスマスの特設売り場の企画」でした。
11月1日の課題発表から約1か月の間、学生達は5班に分かれ、各班で設定したターゲットに合わせた商品選定および売り場の棚割り、POPなどについて企画しました。
審査員紹介
第1回目の授業にひきつづき、株式会社ベルク 人事教育部 課長 町田様、株式会社True Data 執行役員 越尾様にご協力いただきました。
学生によるプレゼンテーション
企画の立案にはID-POSデータをはじめとする様々なデータの分析を行い、勘だけではなくデータを根拠に企画を立案していきました。
また、小売店舗のクリスマス特設売り場を調査するなど、現地調査にも力を入れ、学生の皆様はプレゼンテーションに思いを乗せて発表してくださいました。
学生達による発表内容を一部ご紹介いたします。
Dream編集部が注目した各班の発表ポイント!
【A班】学内アンケート×エリアの居住年代を踏まえたターゲット選定
学生が実際に身近な人達へヒアリングを行い、エリアの居住者データと組み合わせてターゲットとコンセプトを決定していました。
机上だけで考えるのではなく、学生達は主体的に様々な視点から課題に取り組んでいました。
【A班】試したくなるアレンジレシピの紹介
A班が発表していたアレンジレシピは「焼きみかんプリン」という斬新なメニューでした。
売場で商品を手に取ってみたくなるだけではなく、ベルク様の公式Instagramでご紹介することで、スーパーマーケットを出た後もお客様とベルク様の接点が生まれるアイデアでした。
【B班】商品が1番売れているシーズンを探り商品選定
世界で売れているお菓子に注目し、実際にデータから日本で商品が1番売れているシーズンに商品選定をしていました。
商品マーケットを世界規模で考え視野を広げながらも、実際にスーパーマーケットでも売れる商品なのかデータを根拠に説明をしていました。
また棚割りでも実際の喫食シーンが思い浮かぶ配列になるように工夫されていました。
【C班】『押し活』の消費もデータで根拠を説明
既婚者と単身者が自由に使うことができる金額を比較し、単身者に刺さる『押し活』というトレンドを組み合わせて企画していました。
実際にタレントのファン層を分析するなど、ターゲットやテーマ、商品選定においてデータで根拠を示せていました。
【C班】ラジオやYouTubeの活用
ラジオ番組やYouTubeコンテンツとコラボレーションした企画で、クリスマス気分を盛り上げ購買につなげるアイデアもありました。
仲間とわいわいスーパーで商品を選ぶのが楽しくなりそうな企画でした。
【D班】商品シリーズの中でも比較し、商品選定
一見同じような商品でも、丁寧にデータを見ていくことで売れている時期や販売数に大きな違いがあることが分かりました。
またキャンペーンが終わっても売りやすい商品であることも、スーパーマーケットならではの商品選定でした。
【D班】お客様の期待感を高める売り場づくり
音楽やクリスマスツリーの設置でクリスマスムードを演出。実現できそうな現実味のある案がたくさんありました。
既存キャンペーンの活用も視野に、事前に広告を打つことでお客様にクリスマスへの準備を促すねらいがよくわかりました。
【E班】ゲームユーザーとスーパーマーケットのユーザーを比較
商圏には某ゲームユーザーが多くいるのではないかという仮説から、ゲームユーザーとベルク銀座店のユーザーを比較し、ターゲットとコンセプトを設定していました。
ゲームに登場するキャラクターの商品を選定する場合も、一つ一つクリスマスに売れているかどうかデータを確認していました。
また、子供が持てる位置にキャリーケース型のお菓子を置くなど棚割りも工夫していました。
質疑応答では、学生の皆様の発表に対し、商品選定の理由や棚割りの意図、コンセプトなどについて審査員から鋭い質問がありました。
学生達は緊張しながらも一生懸命に回答していました。
総評
株式会社ベルク 町田様
データをきちんと分析し、協力して本日のプレゼンテーションまで実施できていたと思います。来年社会人になる学生の皆様も、数字をみて仮説を立て、検証していく場面はたくさんあります。この授業で学んだ考え方や、数値的根拠はビジネスにおいて非常に大切です。皆様の先輩も昨年ベルクの売り場企画を考える授業に参加していただき、その経験を活かしながら当社で活躍してくれています。
是非皆様もこの経験を社会に出ても活かしていただきたいです。
株式会社True Data 越尾様
データを根拠としてターゲット、訴求テーマ、商品選定を行い、皆様非常に素晴らしい発表でした。
さらに良いプレゼンテーションにするためには、5W1Hを考えるようにしてください。そして資料内のグラフには、単位や項目の説明をきちんと記載することをぜひ意識してください。
また、各班ともゴンドラ、かご台車への商品の設置を考える際に、サブテーマを持っていたことがプレゼンテーションを聞いてわかりました。その内容をプレゼンテーション資料にも加えると内容はさらに濃くなったと思います。
今回のプレゼンテーションでは、実際のデータ分析の内容を発表するだけではなく、発表者が会場とオンラインの画面にいる参加者に視線を向け自信を持った表情で発表していたことがとても印象的でした。
学生の皆様にとってこの経験がモチベーションを高めるきっかけとなり、学びを継続するうえで良い刺激となりましたら嬉しいです。
今後の活躍をお祈りしています。